55歳以上で“血圧異常”を起こしたら「腎動脈狭窄症」を疑え!

 腎動脈狭窄(きょうさく)症という病気をご存じか? 左右の腎臓につながる腎動脈が動脈硬化を起こし狭窄、腎臓への血流が悪化し、さまざまな障害を招く病気だ。医師の間でもあまり認知されていない病気で、見逃されることが少なくないが、専門の医師にステント治療を受ければ劇的によくなる。東京慈恵医大付属病院血管外科の大木隆生教授に聞いた。

 Aさん(67歳)は2年前、薬を3つに増やしても血圧が思うように安定しなくなった。疲れやすく、顔のむくみもひどくなり、かかりつけの病院で検査を受けると、腎動脈狭窄症と診断された。
 しばらくして2本の腎動脈が完全に詰まり、腎臓が働かなくなる急性腎不全を発症。人工透析を余儀なくされた。それで腎臓への血流を復活させるため、大木教授に紹介されたという。
「55歳以上で高血圧を発症あるいは悪化した方、2剤以上の薬を使っても血圧が下がらない方、腎臓の大きさが左右で違う方、原因不明の腎機能障害、心臓や脚の血管に狭窄がある方などは、腎動脈狭窄症が疑われます」
 腎動脈は、直径6ミリほどの血管だ。そこに血栓が生じて狭窄が起こり、腎臓への血流が低下すると、腎臓は低血圧状態になったと錯覚し、血圧を上昇させるホルモンを分泌して、血流を増やそうとする。これが腎動脈狭窄症によって、血圧が上がる仕組みだ。

●ステント治療で血流回復すれば血圧も腎機能も改善
「むくみや疲労感など腎機能低下による自覚症状よりも先に、血圧が上昇します。ですから、血圧の異常が最も重要なサインになる。一般的な高血圧は40代から少しずつ悪化しますが、腎動脈狭窄症による高血圧は、高齢で発症したり、突然悪化したりするのです」
 前述のAさんはステント治療を受けた。脚の付け根の動脈から、カテーテルを入れて、狭窄を起こしている部分まで進めていく。
 そして、バルーンと呼ばれる風船状の器具で血管を広げ、金網の筒のステントを置いて内側から血管を支え、再狭窄を起こさないようにする。
 手術は部分麻酔ででき、2、3日の入院で済む。
「ステント治療によってAさんは、腎臓への血流が再開し、腎機能が回復しました。そのため血圧が安定し、人工透析から離脱することができたのです」
 Aさんのように劇的な効果はあるが、手術にはリスクが伴う。むやみにステント治療を行うべきではないという。
「十分な経験がない医師がステント治療を行うと、造影剤を大量に投与して、かえって腎機能を低下させたり、不用意なカテーテル操作によって血栓を飛ばして重篤な合併症を引き起こしたりする恐れがあります。治療による効果が、これらのリスクを上回る方にのみ行うように、患者さんの適応を見極めることが大切です」
 腎動脈の断面積を100とすると、左右両方に80%以上の狭窄が認められる人が治療の対象になるという。


小泉進次郎のプロフィールと画像
ニュース23 最新ニュース速報

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。